8巻

巻末の藤田和日郎スペシャルメッセージがうまく語ってくれている。そもそも5巻や6巻でこの物語は長くは続かないし,そういうふうにできているのだということが分かる。どっかのラブコメ漫画のように,甘い状態が,甘い状態のまま長く続くというのは嘘であることを作者は知っているし,そういう漫画を由としていない。綾瀬のちゃんとした失恋。これは本当に正しい。
終わり方はこれしかないというもの。納得の終わり方。ただし,主人公が自分から思いを伝えるというシーンがないのが残念。男は待っていて女が告白するだけというのは,少年漫画ではしょうがないんだけど,やはり現実的なファンタジーのためには,もっと男の方も勇気を出してもいいんじゃないのかと思う。今後の少年漫画全体の課題だと俺は思う。