15巻〜20巻

夏目房之介が書いているように,生い立ちヒストリーがめっぽう面白い。芸術をやっておきながら,人に認められたいという意思があれば,それはエンターテインメントを目指しているという話は,その通りだと思った。学生のうちに賞を獲ってから,それで安心して駄目になっていく話と,そこから抜け出すのに二年もかかったという話は衝撃的だった。漫画家というのがボツネームを重ねるという話はよく聞くけど,二年もやるとは思わなかった。一人の漫画家を育てるというのはすごいことなんだと思う。ロスト・オン・ザ・ネットに似たような話が書いてあったのを思い出す。こちらの話は小説だけど,たいていの小説家が受賞作一作だけで世の中から消えていくそうである。そういえば漫画の新人賞も,どの雑誌も定期的に開催しているし,毎回受賞者は出てくるのに,連載を持つような新人は数えるほどしかいない。NARUTOの作者も書いているように,賞を獲ってやっと出発点に立てるというのが本当のところなんだろうな。
漫画は気がつけば面白くなっている。こんな展開を見せる少年漫画はホントに珍しく,そしてすばらしい。絵柄はちょっと癖があるけど,このあたりになるとよくなって,抵抗もないです。口寄せが出てくるとこの漫画の面白さがどーんと上がります。大きいことはいいことだ。

NARUTO -ナルト- 15 (ジャンプコミックス)

NARUTO -ナルト- 15 (ジャンプコミックス)