1巻〜5巻

おもしろい。確かに面白い。
1巻でマリアさんがメイド服を着るシーンがあるけど,腰を結んでから肩を通している。エプロンの着方を思い出せばそんな順番で着るわけがないので,これは作者のミスだと思う。腰を結ぶのは一番最後だろう。
あと,絵がうまいんだか下手なんだかよく分からんけど,こだわりを感じさせるカットが多く,その辺も見どころだった。

ハヤテのごとく! 1 (少年サンデーコミックス)

ハヤテのごとく! 1 (少年サンデーコミックス)

赤松健の漫画と同じだと思えば抵抗もないんだろうけど,登場人物が既に現実の人間ではなく,「キャラクター」そのものであることに,嫌な気分にさせられた。作者がこれまでに出会った現実の人間ではなく,これまでに触れてきた作品のパクリなのである。結果として,地に足の付いた人間ではなく(いるいるこんな人,ではなく),どこかの他の作品のキャラクターの性格なのである(どこかで見たようなキャラクターだが,学校や親戚に似た人がいるわけではない人物という意味である)。
分かって作られた作品であることは分かっているし,こんな指摘は野暮なんだけど(「これが私の御主人様」などと同じ文法の作品である),「ハヤテのごとく」はどうもそのフィクション性が中途半端で気になってしまった。
作品世界にどっぷりハマって「ああ,いいなあ」と思っている分には充分な娯楽性を備えているけど,その先がないというか,読み終わってまわりの世界を見てもなお「ああよかった」と思えるかというと,かなり微妙だと思う。本当にいい作品は,読んでいる間だけでなく,読んでいないあいだの時間も,幸福にしてくれるものだと思っているのだが。