21巻-37巻、短編集

遅れましたが今日,最後まで読みました。夜中の1時から読み始めて5時半くらいまで(笑) 短編集の方は「ダイの大冒険」とは関係がないのですが,ドラクエの漫画だし,雰囲気的には非常に近いのでここで一緒に感想を書きます。
21巻以降はホントに未知の領域で,「こんな話だったのか」と驚くことが多かったです。みんなが言うようにポップというキャラクターが実に素晴らしい。こんなに偉大なキャラクターだったのかと感じ入りました。
前の感想にも書いたけど,本編とは関係なく作画の稲田浩司さんは女性キャラクターを描くのが好きな人なんだと思います。それが原作者のコントロールによってバランスが取れているところが幸運なところです。なんか面白い。
ヒュンケルはヤムチャ化すると聞いていたんですけど,読んでみたらそんなことはなかったです。いい役回りだったんじゃないでしょうか? 戦いの中でそのまま死んでしまってもそれはそれでよかったのかもしれないけど,不謹慎な気もするし……まあ,ストーリーの展開についてはここも含めて,「ああしてもよかったかもしれないけどこの展開でも文句はない」というところに落としこんでいるので,うまいと思います。みんなで話し合いながらストーリーを作っていった漫画の強みですね。この辺は。
後半になると戦いばかりになってしまって,いかにもジャンプ漫画なんだけど,そんな中で破綻のないうまい妥協点で連載を終わらせられたと思います。連載期間7年ってのは凄いことですよ。奥付の重版見ても2003年34刷なんて書いてあるんだから見事なものです。愛蔵版も出ていますけど。
ダイの大冒険1巻-10巻 : 最後まで伝える「出張版」 - 昨日の風はどんなのだっけ?で紹介されたけど,私はやっぱり原作者の,キャラクターの心情を全部台詞にしちゃうところがどうにも嫌だったわけで,テーマについては何の抵抗もありませんでした。この辺は人それぞれでしょうね。気にしない人は気にしないだろうし。21巻以降でも竜魔人となったバランが,自分の口から相手が戦闘不能になるまで戦い続ける本能を説明していて,しかもその戦い方が理性的そのもの(読めば分かるけど)だったりして,なんか白けました。別に語りによる演出はいいんだけど,だったら「本能で戦い続ける」なんて矛盾を用意しなくてもいいのになあ,と。こういう引っかかりをスルーできない自分がもどかしいです(笑)
終わり方は悪くなかったです。どうしても「もっと後日談を!」っていう気持ちになってしまうんだけど,そこは我慢しましょう。物語はいずれ終わるんだから,それは受け入れなくては。人が必ず死ぬように(←おおげさ)

短編集の方は絵の変化に多少驚きました。ストーリーは相変わらず少年漫画の王道で,ジャンプで連載するために生まれてきたような才能だなあと思いました。いや,マジで。人間というのはちょっとはひねくれたくなるものだけど,ここまで直球っていうのは貴重だと思いますよ。