グーグル八分とは何か

これは面白い。なにげなく買ったんだけどものすごい勢いで読んでしまった。ぐいぐい読ませます。始めは悪マニアフィリエイトでもあればそこから買おうと思ったんだけど、そういうことをしてなかったので普通に購入。前からGoogleはおかしいと言われていたけど、個別の事例を見ると明らかにおかしい。全体的なイメージについてなど吹き飛んでしまうような具体例の数々だ。
あと、今読んでる「ローマ人の物語」にも通じることなんだけど、権力って腐敗するもので、監視が絶対に必要なんだなと思った。能力とか技術とは別に、放任というのは絶対によくないのだ。悲しい事実だけど。
あと、それの流れを汲んで、「反権力」という言葉の意味をもう一度考え直した。最近は反権力がテロリズムと同列に語られてしまう風潮があるんだけど、放任なんかしてしっぺ返しをくらうのは自分だよなとしみじみ思った。
あと、日本図書館協会「図書館の自由委員会」の西河内靖泰さんとのインタビューというのが実に興味深い。図書館は見せるところだという点を改めて認識すると共に、また一つ図書館が好きになりましたよ。

グーグル八分とは何か

グーグル八分とは何か

追記(2007-01-18T23:40:26+09:00)

一般論を語るための本ではない。というか、それを慎重に避けている点に感心した。そして、それこそ自分が名誉毀損で訴えられたりしないように色々な検証をしている点にも感心した。
最初の件について、何が言いたいかというと、これを読んで、「Googleがある特定のページを検索結果から外すのは必ずしも悪いことではない。仕方ないケースもあるだろう」と語るのは簡単で頭がよさそうにも聞こえるけど、実は馬鹿を露呈しているということだ。この本はそういう話ではない。曖昧なGoogle論を展開して、今後のWebの行く末とか、経済だの一般市民の消費活動だの、それに対しての予想しうる問題点や課題を語っているわけではない。
つまり、「Googleが、グロービートジャパンについての検索結果から、同社と日本平和神軍との関係を記述したページを表示させなくなることは問題なのではないか?」といった具体的な点について語っているのである。
これについて一般論的に「検索エンジンがある特定のページを削除することは……」といった論説を展開するのもいいけど、「じゃあ、このページをグーグル八分にすることに問題ないんですね?」という具体的に発生しているグーグル八分への回答にはなっていない。
あくまで可能性として、リアルタイムにグーグルも荷担している犯罪が起こっている可能性というものを見ることができるわけである。これは個人的に感じる可能性であることを明記しておくが。