ようこそ女たちの王国へ
- 作者: ウェンスペンサー,エナミカツミ,赤尾秀子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/10/24
- メディア: 文庫
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男性の出生率が5%を切る世界で、王女に見初められたジェリンが王室の陰謀に巻き込まれる。
設定がハーレムで、とっかかりはどうかと思うんだけど、読み始めると歴史や文化や地形、風土に至るまですごく作り込まれていてよかった。それも説明口調じゃなくてちゃんと伝わってくるんだもん。さらにキャラクターの描写力! 名前のある登場人物だけで余裕で100人くらい出ているのに、それがどんな人間か頭に入ってくるんだからすごい。ラノベ作家も勉強になるでしょう、これは(笑)
どうして男性の出生率が低いのかの説明がないことがアメリカでは批判の対象になったということだけど、そんなことどうでもいいんじゃないかなあ? 俺は作者の作った世界にどっぷり漬かって存分に楽しめたよ?
追記(2008-02-17T19:04:22+09:00)
そうそう、気になったのが「女性から見てどうか?」という点。作品そのものは世界の作り込みに終始しているのでいかがわしいものではないと思うんだけど、作者が男性で、ダイレクトに描かれていなくても潜在的な願望を感じ取ってしまうと駄目なんじゃないかなあと思う。これ、作者が女性だったらそんな先入観はもたれないだろうけど、しょうがないような気もします。