第22話「タイムカプセル」Born to Run

うーん。ちょっとなあ。
私はアメリカの娯楽小説を何年も読み続けているので,あちらのストーリーテリングの技術については大体知っているのである。お前が書けるかと言われれば,ちょっと自信がないところだけど,それでも「面白い話」を面白い話として受け取るだけでなく,構造化してテクニックとして見ることもできる程度には慣れているつもりである。そういう見方をして面白いかっていう質問に答えるのは難しいけど,「どんなに思い込みをしたところで,初恋は一度だけ,最初の失恋も一度だけなんだよ」って答えることはできる。二度目の恋が前のものと違っていたとしても一度目のものとまったく同じというわけではない。相手が違っていても,自分が同じことを言っているかもしれないし,同じ反応をしているかもしれないからだ。言い回しが難しいけど,ようするに経験が蓄積されれば,蓄積された場所から見るしかないってことだ。
エンターテインメントを離れた場所から見る能力は,近くで見る能力のをある程度犠牲にするものである。だが,経験によるものなので,自分の意志でコントロールできることではない。意識はしてなくても,「またあのパターンか」程度のことは誰でも考えたことがあるはずである。
で,何度かここでも書いてきたことだけど,このLOSTってドラマは,技術のドラマである。「24-Twenty Four-」と同じである。
アメリカのテレビドラマは,実験的な演出や,画期的なストーリー展開より,高度なストーリーテリングを見せるものという要素が強いけど,これもずいぶん技術に重きが置かれたものだなと思う。もっとも,私は同じJ.J.エイブラムス脚本の「エイリアス」もシーズン1の最終話を見て続きを見るのをやめた口なので,単なる相性ともいえる。エイブラムス脚本はすぐに慣れてしまって個人的には飽きがくるのが早いのだ。二つしか見てないけど。
シーズン1の終わりまでは見るけど,大体どういうものをもってくるのか予想がついてしまうので,そのあとどうするかは微妙なところだなー。
次の23話は録画をミスったので感想はありません。