第15ステージ

平坦ステージ。Paolo Bettiniが優勝です。
レース展開としては特に書くことがないんですが,栗村修さんとSaschaさんのトークが全編にわたって展開したので,もう一度見直しながら栗村語録を作って今日の夜にでも更新しようと思います。一部声に出して笑っちゃいましたよ。

栗村語録(2006-05-23T21:57:41+09:00)

「」内はSaschaさん。細かい言い回しなどは再現できていないので,印象が変わっているかもしれません。それらは私(長谷川一成)の責任です。ご了承ください。

  • 自分の中での優勝候補はSimoniなので,彼がテンション高いとこっちも合わせようって気になりますね。
  • 月曜なのに観客いますね。この辺は熱狂的ファンもいますからね。「視聴率40%ってことは,熱狂的というより普通に見てるって感じですね」そうですね。平日昼間の放送で40%っていうのは恵まれた労働環境というか。「40%は休日かもしれませんけどね」ああそうか。しかし今話題のワンセグもないでしょうに(笑)
  • Basso人気で盛り上がってますね。去年のSavoldelliのときより盛り上がっているような。
  • 「ジロはBassoで10年間イタリア人の連続優勝ってことになります。印象深いのは誰ですか?」それはもちろんPantaniですね。
  • Ivan MayozはIvan Mayoとは別人なんですよね。名前を変えたのかと思ってました。「ドラゴンボールじゃないんだから」Ivan Mayo Z(笑) 勘違いしますよ。ほとんど同じ名前ですもん。
  • 今回のTOJではマッサージャーが下痢になりまして,腕に力が入らないということで病院に行きました。その二日後に私も下痢になりまして。「下痢話ですか!」
  • ステージレースでは体調不良のごまかしがきかないんですよね。
  • 選手の体調不良はケアしてもらえますが,スタッフの場合はただの使えない奴になっちゃいますからね。
  • ジロも今が一番辛い時期です。まだゴールが見えないし。疲労は重なってるし。3週間のステージレースは別格だと聞いてます。
  • 自転車選手はうまいものが食べられません。「食事制限してるとイライラするんですよね」分かります。ある意味,自転車の上の方が楽ですね。それだけに集中できますから。
  • その辺,Lanceはストイックだったということですね。一方,Ullrichはその辺が駄目だったということで。才能はLanceの方がないのかもしれません。
  • 私は用をたすフリをして逃げたことが何度かありますね。「(笑)」顰蹙は買いましたけど(笑) ちょっとこう,用足しの合図にも見えるようなテンションが高くなっただけにも見えるような言い訳のできる感じで飛び出したんですけど,集団の中にいたほかの日本人選手はインターナショナルチームからありゃねーぞと言われたそうです。

それまでサッカーをやってたんですけど,中一でツールを見まして,これだと思って始めました。近所でステージレースしてました。うちの周りで周回できたのでそれが最終日のシャンゼリゼということで(笑) 住宅地を中学生7人くらいが走ってるんですからね。今振り返ると,当時としては凄いことだなあと(笑) 高校に入っても熱は冷めず,(学校を)やめてフランスに行きました。クラブにいた20代の人と二人で。水谷選手というのがいたと思いますが,もしかしたらジュニアでは初めてかもしれないですね。
当時は手配とか手続きをしてくれるコーディネータがいなかったので大変でした。フランスのナンドです。3シーズン。ジュニアのレベルも凄かったです。監督がいて,ジャージがあって,プロじゃなくてもこうなんだなと,プロになったように勘違いしてました。当時アンダー23というのがなかったので18になると30の選手とやり合うことになるんですが,そこの壁にぶつかりました。フランスでは浅田監督に会いました。緊張してたんですけど,向こうには伝わらなかったらしくて,どうやら自分も逆の態度を取っていたみたいで,あとで色々言われましたね。年を取ってから,日本的な営業トークを身に付けました。
二十歳にはツールでステージ優勝していると思ったんですけど,やっぱり無理で,挫折しました。やめようかとも思ったんですけど,日本に帰ってから,国内のレースに出てました。そこではそこそこ勝てまして,シマノの契約選手1号になりました。そこでまたフランスやベルギーにも行きましたが,やはり壁に当たり,1年でやめました。自転車を乗るのをやめたのは,そのときということになります。
(ほかの選手へのアドバイスとして)選手には乱暴ですけど二種類あると思うんですよ。一つは,楽しめる人間というか,海外の生活も楽しめて,まわりがどうであれ自転車に乗っているのが好きだという人間。もう一つは自転車に乗ることで有名になったり,評価をされたいという人間です。選手には生命力のようなものが必要だと思うんですよ。人種差別的なものを受けたり,海外だと独りぼっちですけど,それに耐えられる人間。才能があっても,心に強さがないと海外で強くはなれないですよね。なんでも海外に行けばいいというものではない。壁にあたったりちょっと落ち込んだときに,1週間くらい休んで友達と遊ぶってことができないわけですから。
浅田監督はその辺のストレスを消してあげる仕事をしているんですよ。私はどこでもドアがあればいいなと思ってました。レースから帰ったら家に帰って,日本語のテレビを見て,また翌日のレースに出てってやりたかったですね。ランスも地元じゃないってことのストレスを言ってましたね。その辺のストレスを消している浅田監督がうまいと思います。
監督は選手の質を見る必要があると思います。根性論も必要ですし,否定もしないんですが,それでも人には変わらない部分があるわけで,それはプロでもそうです。Petacchiとか。心の強い選手はどんどん新しいことをさせればいいと思います。
(監督のキャラについて)監督にもキャラがありますね。私の場合は天然系の監督が多くて,浅田監督のような人とはやったことがないです。やらかす監督が多かった(笑) やらかす監督というのは,まあ,高速道路でウインカー出しっぱなしとか。
監督は厳しくてもいいんですが,スタッフはなごみ系がいいです。スタッフが厳しいと選手がきついですからね。監督とかチームの経営陣と選手を繋ぐのはコーチではなくて選手です。どのチームにもベテランの選手が入ってますが,そういう選手が,どちらかというと経営寄りな監督と,対立しがちな若手選手との間をとりもちます。だから,キャプテンというかリーダーみたいな選手がチーム批判とかいうのはまずいですね。選手というのは何も考えていない場合も多いんですよ。そこでベテランがチームに「あれはないよな」などと口にすると,ああそうなんだと思っちゃいますからね。チームへの不満を持っても,それは結局本人に返ってくるので,必要な批判ならいいんですが,必要のない不満をチーム内に広げてしまうようなベテラン選手は,それこそ不要ですし,危険ですね。