第9話「審問」
こちらも面白かった。
脚本的に些細なことだけど，ま，気になったので一言。追悼儀式のときに登場人物たちがそれぞれの思うところを喋るシーンがあったんだけど，発言の中に，引っかかるものがありました。簡単に言うと，この場でこの雰囲気で口にするようなことじゃないだろという発言があり，しかもその場にいる全員がその発言を何事もなかったかのようにスルーするシーンです。各キャラクターの発言を並べていくのは，キャラを立たせるために楽なのでやってしまうことは分かります。が，うまくやらないと，登場人物が会話をしているというより主義主張を見ているこちら側にアピールしているだけになってしまうのでよくありません。自虐的だったり自嘲的だったり，その場にいる立場を突き放したような発言は，現実世界ではあまり口にできませんし，口にしたらそれに対して眉をひそめる人間が一人か二人入るものです。そういう，会話や感情のやりとりのない「会話に見せかけたあ説明シーン」が目立ちました。
もっとも，シムーンがいいなあと思うのは，こういう，処女的な尖った若々しさってところもあるので，気にして丸くなるのも嫌だなあというところ。もっとも，シムーンのスタッフにとってこれが処女作ではないと思うけど。
ネタバレになるけど，コール・テンペストが最終的に存続になるとは思いませんでした。そういう方向もあるとは思ったけど，存続するんだあ，と。シムーンのもう一つのよさは，この手の先の展開の読みにくさもあると思います。全然読めん。
