ソウル市民 昭和望郷編

前半と後半で様相が変わる。前半は政治色が強く、色々な議論が展開される。後半は精神に異常をきたした長男をめぐる典型的なコメディになり、こっちの方がノリは軽い。
見てない人に語るのは難しいけど、一言で言うと、だんだんと駄目になっていく日本人がこの三部作で描かれている。始めは朝鮮人と力を合わせていて、支配者と被支配者の意識というのはかなり近いものだったんだけど、二世、三世と代を重ねるごとによくなっていくんじゃなくて、悪くなっていく。自分達がどういう土台の上で生活しているのかという意識がすっぽり抜けてしまっているのである。これは多分、ソウルの日本人っていうのはホントにただのシチュエーションであり、どこでもこういう自体は起こりえるのだろうと思った。
後半もまあまあ面白いし、そのどたばたさがまた彼らの無自覚を浮き彫りにしてくれます。キャラクターの描き分けもうまい(これはいつもだけど)。