メイキング・ラブ

クライマックスは悪くないけど、全般的に退屈でスピードに欠ける小説。5点満点では2点といったところ。
解説に書いてある通りだとすると、メラニー・テムの文学志向が本書をめんどくさいものにしている。不必要な文章はせっかく書いたもんでも大胆に削除する勇気を持たなくては、小説とは言えないだろう。後半は斜め読みしました。段落の最初と最後を読んだら中の文章は不要って感じでしたよ。
もうすぐ40になる独身女教師が、超常的な弟の力によって完璧な恋人を手に入れる。しかし、完璧な恋人には魂がなかった。
ちょっとだけよいシーンもある。導入部の、普段通りだけどちょっといつもと違う夕焼け、なんてシーンは実にうまい。あと、主題も悪くない。そこのところは褒めておこう。

メイキング・ラブ (創元推理文庫)

メイキング・ラブ (創元推理文庫)