JCエッチ

JCエッチ (セラフィンコミックス)

JCエッチ (セラフィンコミックス)

読んだのは去年のことで、感想を書くべきかどうか迷いに迷い、誤解や偏見を恐れずに自分の受けた衝撃を伝えたくてここに感想を書く。
エロマンガである。18禁である。しかもタイトルにもあるようにほとんどが中学生である。フィクションの世界でロリコンものといえば小学生だったりするからこれをロリコンものとカテゴリするのもどうかと思う(現実の世界では女子高生相手でも条例的には保護すべき子供でありロリコン扱いである)。まあ、ここでこの作品がロリコンものかどうかというジャンルについての検証は私は興味がないので置いておく(ロリコンものでは Japanese Preteen Suite という衝撃を受けた漫画があるんだけど、まあ、それはそれで気が向いたら書く)。
そもそもエロマンガなんで現実にはありえないファンタジーと妄想の世界なんだから、ドラマの恋愛やサスペンスの殺人事件と同じで、フィクションとして楽しめばよい。
なんかやたら熱弁してるけど、実際には私はもうフィクションに慣れてしまってて、そういう理論武装や説明も必要に迫られてからやるくらいで、ここでわざわざ書こうって気もない。
単に本文に入るまでのマクラである。助走みたいなもんだ。
エロい漫画で実用性も充分だった。何より冒頭の連作である HHH がすごかった。男が完全なセックスマシーンで異常性欲者(笑) 犯罪もののノンフィクションに出てくるような絶倫っぷりである。家庭教師先の三人の女の子を一気に食ってしまい、女の子は呆然としながらもその関係にハマるという展開。常に乱交状態でやってやってやりまくる。もうなんだかよく分からん。でもってそんな感じでみんな幸せに終わる。
あとがきで、エロマンガはどうしても一回二回やって、「もう一回(はあと)」とか「また明日ね(はあと)」で終わる展開になってしまう。その後の「もう一回」「また明日」が見たかったという制作意図を語ってる。確かにそうなんだろうなと思う。まあ、この物語の更なるその後のやりまくりも見たかった気もするけど(笑)
で、何が衝撃だったかというと、その明るさである。エロマンガで明るいエッチなど珍しくもないけど、このマンガも実に明るい。フィクションと分かっていても「いいのか? そんなんで?」と心配になるくらい楽しんでる。しかも男の方はとめはねっの大江くんがモデルってことだけど、ヘタレでも鬼畜でもない(鬼畜なんだけど)この男が何を考えているのかさっぱり分からない。「そんな主人公で大丈夫か?」とか思ってしまう。
「何を考えてるのか分からない」。こんな登場人物のこんな物語でも読ませる話を作れてしまうんだなあと、この世界の広さを再認識した次第である。

追記(2012-02-27T01:15:36+09:00)

読み直すと、そういうことじゃないよなと思った。明るさが衝撃なんじゃなくて、この漫画が妙に「怖い」ところが衝撃だったんだと気づいた。結果として合意のセックスが成立しているけど、この話の中のそれが本当に合意のセックスなのかっていうとかなり疑問である。この HHH という漫画の先生は、ま、ちょっと普通じゃないというか、かなり積極的に異常性が表に出てて、非常に怖い。この怖さがこの漫画のキモというか、底に流れてる不安定な気持ちと表面的なエロの部分のギャップとして意識させられて、そこが衝撃的なのである。エロマンガなんだけど、どこかホラー的というか。