第11話「都市型犯罪における悪意の所在論」

かわいそうなことに次で最終回。この作品,作り手がいまいち現実を観察していないような気がする。もっとぶっちゃけると,実際のオタクサークルに所属したり,取材さえしない人間が,原作だけ読んで映像化しているような印象を受ける。そうでないなら観察はしていても,観察眼がないのだろう。
この作品はリアルに作らなくちゃいけなかったわけで,けど,作り手がその辺の勘の弱い人間なんだと思う。痛い人間や閉鎖的な人間関係の中に流れるあの空気を映像化するというのは,難しい。難しいけど,「それを映像化しよう」という意識でなければいけなかったはずだ。けど,登場人物は,アニメにハマってアニメ的な言動をする人ではなく,なんだかアニメそのものになっている。ゴミに火がついてあたふたする表現や,泣き真似をしてくねくねする表現は,アニメアニメした表現では,意図にならない。現実の人間で,冷静に対処できずパニくる人間のリアクションというのはどういうものかを想像して,それをそのままアニメにして欲しかった。
ただのアニメとしては単純につまらない作品。ネタとして打ち切られたのか,本当に打ち切られたのかも分からないくらい微妙なところ。