児童性愛者 その2

http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2006/05/post_f22c.htmlについて書いた児童性愛者 - UNDER THE SUN「出張版」id:Dain さん本人のコメントがありましたので返信をば。過去ログを埋め直しているところで突然のリアルタイム更新です。

児童性愛者―ペドファイル

児童性愛者―ペドファイル

ところで、本作が35点なら、これを超える劇薬小説があれば、教えていただけると幸甚です。たくさんありそうですが、「たとえば…」でも結構なので、後学のために教えていただけると、ありがたいです。

ってことですが、挙げられてる劇薬小説のリストを読み終えているわけではないですが、リストの中で私が読んだことのある小説であればその全てが「児童性愛者」は超えています。「隣の家の少女」は「児童性愛者」の遥か上です。児童性愛者は申し訳ないですが毒にも薬にもならない本でした。
分かりやすく言うと好みが違ったということで話は終了なのですが、主観を抜きにしても、児童性愛者はつまらない本だと思います。id:Dain さんのレビューのほうが面白いです。
レビューと本の両方を読み終えて思ったことは id:Dain さんの書かれたことは、本に書かれていることを読んで思ったことではなく、普段から持っている問題意識とかそういうものが本書をきっかけに吹き出してきたものなのではないかということです。「そういうきっかけになるということはやはりいい本なのではないか?」という意見もあるかと思いますが、この本の内容だけではきっかけになる材料としても物足りなく、どちらかというと id:Dain さんが読んだタイミングがよかったのではないかと感じました。

推薦

心臓を貫かれて

心臓を貫かれて

かっこわるい言い訳

いわゆる劇薬小説のマニアではなく、私のベースはホラーファンなので、娯楽としての不安や不愉快さは楽しむけど、娯楽性を持たない不快さの追求については消極的です(何がその人にとっての娯楽かという定義も十人十色なのでこの辺は一般論っぽく書いているけど一般論ではないです。すべての本は娯楽性を持っているという意見の方が正しいでしょう)。というわけでそれほどこっちの分野に引き出しが多いわけではありません。世の中には両方をテリトリーにしている人もいるのですが私は違うのです。
柳下毅一郎とか、その他の海外の犯罪ノンフィクションファンとかが原書で読んで「こいつは最悪だぜ、ヒャッホー」ってノリは楽しそうではあるんだけど、自分は本気でヘコんでしまうヘタレなので、それらをおっかなびっくり覗き込むくらいが精一杯です。
それはそうと、たまに恐いもの見たさで読むことはあります。
犯罪ノンフィクションはどうしてもヘコむので、劇薬小説としては微妙に反則な気がします。しかし、マイケル・ギルモアの「心臓を貫かれて」も犯罪ノンフィクションではあるのですが、読んだ後に読む前には戻れないことを自覚したことを覚えているので(もう一つは「隣の家の少女」)、挙げずにはいられないタイトルです。
劇薬小説をいくつかこなしていくうちにどこかで壁を超えてしまうものなので、すでにこの壁を超えていたら私と同じ感想は持てないでしょう。とくに劇薬小説のリストのいくつかはトラウマや家族というテーマを共通でもっているので、どこかと似た話と感じるかもしれません。こういうのは読んだ順番の不幸としか言えません。

最後に

ま、当たり外れがあっても id:Dain さんのリストの命中率は自分にとっても高いので参考になります。今後も更新がんばってください。私も某nailの同じ病気に感染しています(だからなんだってこともないですが)。
あ、あと、ノンフィクションとタイミングで言うなら、「資本論」とか「君主論」とかの方が下手をすると取り返しのつかない劇薬になるかもしれないなと思いました。思想書とか哲学書はいかがでしょう?